「最近、水をよく飲むようになった」
「以前よりおしっこの量が増えた気がする」
このような変化はありませんか?
犬の慢性腎臓病では、初期症状として飲水量・尿量の増加(多飲多尿)がみられることがあります。
慢性腎臓病は、症状がはっきりしないまま進行することもあるため、飼い主さんが小さな変化に気づくことが早期発見につながります。

犬の慢性腎臓病でみられる症状
慢性腎臓病の症状は、病気の進行度によって異なります。
初期に見られる症状
- 水を飲む量が増えた
- おしっこの量・回数が増えた
- 以前より尿の色が薄くなった
- 夜間にも水を飲む、おしっこをするようになった など
初期には、元気や食欲がほとんど変わらないことが多いです。
そのため、飼い主さんが「元気だから大丈夫」と考えているうちに、腎臓病が進行してしまうケースも多くあります。
病気が進行するとみられる症状
腎臓の機能低下が進むと、老廃物が体内に蓄積することで、次のような症状がみられることがあります。
- 食欲が落ちる
- 体重が減る
- 元気がなくなる
- 嘔吐や吐き気
- 口臭が強くなる
- 毛づやが悪くなる
さらに進行すると、食事や水分をとれなくなり、脱水などを伴って全身状態が悪化していきます。
「水をよく飲む」ってどの程度?
飲水量が増えたかどうかは、普段の生活をよく観察している飼い主さんだからこそ気づける重要な情報です。
「以前はあまり水を飲まなかったのに、最近は水入れが空になる」
「散歩中に水を欲しがるようになった」
「寝ている間にも水を飲みに行く」
こういった変化があれば、一度飲水量を確認してみましょう。
一般的には『1日に体重1kgあたり100ml以上飲水する状態』を『多飲』と言います。
ただし、飲水量は気温、運動量、食事内容などによっても日々変化します。そのため、一日の飲水量だけで慢性腎臓病と判断することはできません。
このことから、飲水量の増加が続いている場合は、尿検査や血液検査などを組み合わせて原因を調べることが重要です。
元気なのに腎臓病?早期発見には健康診断が大切
犬の慢性腎臓病で注意したいのが、初期には目立った症状が見られないという点です。
「元気も食欲もあるから腎臓は大丈夫」とは限りません。
特に症状がなくても、健康な時から定期的に血液検査や尿検査などを実施していくことが重要です。
これらの症状が見られたら早めに動物病院へ
慢性腎臓病は早期発見がとても重要な病気です。
一度失われた腎臓の機能は、残念ながら元には戻りません。しかし、早い段階で見つけることができれば、進行をゆるやかに抑え、生活の質を長期的に維持することが可能になります。
- 水を飲む量が以前より増えた
- おしっこの量・回数が増えた
- 尿の色が薄くなった
こういった小さな変化を見つけたら、なるべく早く病院へ受診するようにしてください。
特に、体重減少・食欲低下などを伴っている場合には、早めの検査をおすすめします。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。
【犬の慢性腎臓病コラム】
第1回 犬の慢性腎臓病の初期サイン|水をよく飲む・おしっこが増えたら要注意
第2回 犬の慢性腎臓病とは?ステージ分類と血液・尿検査を獣医師が解説





