「何度もトイレに行くのに少ししか尿が出ない」
「尿の量が減っている気がする」
このような症状を見て見過ごしてしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、場合によっては命に関わる危険な病気が隠れている可能性もあります。
原因によっては、短時間で命に関わる状態に陥ってしまう事もあります。
今回は、「尿が少ない」という症状について、原因や注意すべきポイントを解説します。
※注意
大前提として診察をせずに、「家で様子を見ていて大丈夫」と言うことはできません。
基本的に異常があるようであれば受診することをおすすめしています。

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「尿が少ない」とは?
正常な尿量は、飲水量や食事内容、気温、運動量などによって変化します。
そのため、単純に「何 ml」だけで異常を判断することは難しく、「普段より明らかに尿が少ない」「排尿回数や様子がいつもと違う」ことが重要なサインになります。
つまり、普段から尿の量を意識してチェックしておくことが重要になります。
尿量が減る原因は、大きく分けて
- 尿が十分に作られていない(排尿姿勢はあまり見られない)
- 尿は作られているが外へ出せない(頻繁に排尿姿勢を取ることがある)
という2つに分けて考えます。
また、膀胱炎などでは尿が溜まっていないのに排尿姿勢を取ることがあり、一回の量は少ないものの合計するといつも通りの量である場合もあります。
何が原因?
① 脱水
水を飲む量が少ない場合や、嘔吐・下痢によって体内の水分が不足すると、体は水分をできるだけ失わないようにするため、尿量が減少します。
しっかりと飲水できているかを確認することが大切です。
② 腎臓の病気
腎臓に障害が起きると尿を十分に作れなくなり、尿量が大きく減少することがあります。
元気消失や食欲不振、嘔吐を伴うことも多く、早急な治療が必要になる場合があります。
一方、慢性腎臓病では初期には尿量が増えることが多く、病状がかなり進行すると尿量が減少することがあります。
③ 尿道閉塞
尿は作られていても尿道が結石や腫瘍などで詰まると、尿を体の外へ排尿できなくなります。
この場合、
- 排尿姿勢を何度もとる
- 少量しか出ない
- 全く出なくなる
という症状を見せることがあります。
特にオス猫で多く見られ、命に関わる緊急性の高い病気です。
④ 膀胱炎・尿道炎
膀胱炎や尿道炎では、「尿道閉塞」と似て何度も排尿姿勢をとり、一回に出る尿量は少なくなります。
これは膀胱・尿道の炎症のせいで、膀胱に尿が溜まっていなくても尿意を感じてしまうためです。
頻尿を伴うことが多く、全体的な尿量はそれほど減っていない場合もあります。
細菌や結石、腫瘍、ストレスなどが原因となる事があります。
⑤ 神経の病気
椎間板ヘルニアや脊髄疾患などで排尿をコントロールする神経に異常が起こると、尿をうまく排泄できなくなることがあります。
排尿困難や尿失禁を伴うこともあります。
緊急性の高いサイン
次のような症状がみられる場合は、できるだけ早めに受診してください。
- 元気や食欲がない
- 嘔吐をしている
- 排尿姿勢をとるのに尿がほとんど出ない
- 半日以上ほとんど尿が出ていない
- 尿がまったく出ない
- 血尿がみられる
これらは、尿道閉塞や急性腎障害など、緊急性の高い病気が原因である可能性があります。
ご家庭でできる予防法
日頃から次のような対策が役立ちます。
- 新鮮な水をいつでも飲めるようにする
- ウェットフードを活用して水分摂取を増やす
- トイレを清潔に保つ
- ストレスを減らす生活環境を整える
- 適正体重を維持する
- 定期的な健康診断・尿検査を受ける
飼い主さんへのメッセージ
「尿が少ない」という症状は、単なる飲水量の変化だけでなく、腎臓や膀胱、尿道の病気のサインであることがあります。
特に、「何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない」「昨日まで普通だったのに急に尿量が減った」「元気・食欲がない」という場合は、様子を見ずに受診することをおすすめします。
普段から排尿回数や尿の量、お水を飲む量を把握しておくことで、異常に早く気付くことができます。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何か手助けができるかもしれません。







