「何度もおしっこに行くようになった」
「散歩中に何度もしゃがむけれど、少ししか出ていない」
「家のトイレへ行く回数が急に増えた」
このような症状を見て、「水をたくさん飲んだから?」と様子を見てしまう飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、犬の頻尿は、膀胱や尿道、前立腺、腎臓などの病気が原因となっていることが多いです。
特に、「何度も排尿姿勢をとるのに少量しか出ない」「血尿がある」「排尿時に痛がる」といった症状を伴う場合は、早めの受診をおすすめします。
今回は、犬の頻尿の原因や受診の目安について解説します。
※注意
大前提として診察をせずに、「家で様子を見ていて大丈夫」と言うことはできません。
基本的に異常があるようであれば受診することをおすすめしています。

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「頻尿」とは?
頻尿とは、1回の尿量は少ないものの、排尿回数が増えている状態をいいます。
- トイレへ何度も行く
- 少量ずつ何回も排尿する
といった様子がみられます。
散歩時に、少量ずつ何度も排尿する行動は一般的にも見られますが、これが普段はしていない行動であれば病的な原因があるかもしれません。
一方で、多量の尿を何度も排泄する「多尿」とは異なります。
「回数が増えている」のか、「尿量そのものが増えている」のかを見分けることが大切なポイントです。
何が原因?
① 膀胱炎
膀胱に炎症が起こることで尿を出した後も残尿感が続き、少量ずつ何度も排尿するようになります。
- 血尿
- 排尿時の痛み
- 尿のにごり・悪臭
なども併せて見られることもあります。
② 膀胱結石
結石により膀胱が刺激されて頻尿になります。
膀胱炎と同じような症状が見られます。
③ 尿道結石
尿道に結石がある場合に問題になるのが尿道閉塞です。
尿の流れをせき止めてしまうことで膀胱内に尿が過剰に貯留してしまい、さらに上流の腎臓の障害を引き起こすこともあるため、命に関わる緊急疾患となります。
尿道に結石があっても、尿の流れに影響しない場合もありますが、膀胱炎と同じような症状が見られることがあります。
④ 前立腺の病気
オスの場合、前立腺の病気が原因で頻尿になる事があります。
- 前立腺肥大
- 前立腺炎
- 前立腺腫瘍 など
特に去勢していない場合は前立腺肥大・前立腺炎が問題になる事が多いです。
排尿だけでなく、排便がしづらくなることもあります。
⑤ 腫瘍
膀胱や尿道にできる腫瘍では、
- 頻尿
- 血尿
- 排尿困難
などの症状が現れることがあります。
⑥ ストレスや環境の変化
引っ越しや来客、新しい家族やペットなど、生活環境の変化によって排尿回数が増える犬もいます。
ただし、病気との区別は難しいため、症状が続く場合は検査をおすすめします。
家でチェックしてほしいポイント
受診時には、次のような情報があると診断に役立ちます。
- 排尿回数はどのくらい増えたか
- 1回の尿量は多いか少ないか
- 血尿はあるか
- 排尿時に痛みがあるか
- 尿の色やにおいに変化はあるか
- 元気・食欲はあるか
- 水を飲む量は増えていないか
可能であれば、新鮮な尿を採取して持参していただくと診断の助けになります。
受診すべきサイン
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 元気・食欲がない
- 血尿がある
- 長時間にわたって頻繁にトイレへ行く
- 少量しか尿が出ない
- 尿が全く出ない
- 排尿時に鳴く・痛がる
- 嘔吐もしている
特に尿がほとんど出ない、あるいは全く出ない場合は緊急性が高く、すぐに受診が必要です。
飼い主さんへのメッセージ
犬の頻尿は、「年齢のせい」「水を飲みすぎ」と思われがちですが、膀胱炎や尿路結石、前立腺疾患、腫瘍などが原因となっていることもあります。
特に、「何度もトイレへ行くのに少ししか出ない」「血尿が出ている」「排尿時に痛そうにしている」「元気・食欲がない」といった症状がある場合は、早めの受診が大切です。
普段から排尿回数や尿の量・色を観察しておくことで、小さな変化にも気付きやすくなります。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何か手助けができるかもしれません。







