「外耳炎と診断されたけれど、どんな病気なの?」
「薬を使えばすぐ治る?」
「なぜ何度も再発するの?」
外耳炎は犬で非常によくみられる病気の一つで、「耳をかゆがる」「頭を振る」「耳が臭う」といった症状で来院される犬の多くが外耳炎を発症しています。
今回は犬の外耳炎について、原因や症状、治療法をわかりやすく解説します。

【外耳炎コラム】
第1回 犬が耳をかく・頭を振るのは外耳炎かも?犬の外耳炎の症状や原因・受診の目安を解説
第2回 なぜ繰り返す?犬の外耳炎の原因・治療法を獣医師が解説
第3回 犬の外耳炎の診断はどうする?耳垢検査や再発の原因について解説
第4回 犬の耳掃除は必要?正しい耳のケアやその頻度、外耳炎の予防について解説
そもそも外耳炎とは?
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳」と呼ばれる部分に炎症が起こった状態です。
犬の耳は人よりも複雑なL字型の構造をしていることや、耳道内に毛が生えていることから、
- 湿気がこもりやすい
- 耳垢がたまりやすい
- 細菌や真菌が増殖しやすい
という特徴があります。
そのため、犬は人に比べて外耳炎になりやすい動物といえます。
外耳炎が起こる仕組み
外耳炎を繰り返す場合には背景にアレルギーや寄生虫、異物など何らかの異常を抱えていることが多いです。
これらの素因を持つ犬の耳では、炎症が起きやすく、耳道内の環境が悪化します。
すると、細菌やマラセチアと言われる酵母菌などの、もともと耳の中に存在する微生物が過剰に増殖し、さらに炎症を悪化させます。
炎症が長期間続くと耳道の皮膚が厚くなり、耳道が狭くなっていきます。
こうなるとさらに通気性が悪くなり、慢性的な外耳炎につながります。
外耳炎の主な原因
外耳炎は単純な感染症ではなく、上に挙げたような「体質」などが主要な原因となります。
アレルギー
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の犬では外耳炎を繰り返しやすくなります。
アレルギーの場合、耳以外の皮膚にも症状が出ることが多いです。
耳ダニ
若齢犬や多頭飼育環境でみられることがあります。
強いかゆみを引き起こす寄生虫です。
異物
植物の破片、シャンプーなどの薬剤が耳の中に入り込むことで外耳炎が起きることがあります。
ポリープ・腫瘍
耳道内にポリープや腫瘍が存在し、炎症を引き起こすことがあります。
細菌感染
マラセチア
皮膚や耳の中にもともと存在する微生物が、耳道内の環境が悪化した時に過剰に増殖し炎症を悪化させます。
過剰な耳掃除
不適切な耳掃除は、耳道内の刺激になったり小さな傷を作ることで、外耳炎の原因となる事があります。
綿棒などの使用は要注意です。
身体的な特徴
垂れ耳や耳道内の過剰な毛などは外耳炎を繰り返す子の特徴として見られることが多いです。
外耳炎の治療方法
治療は原因や重症度によって異なります。
耳の洗浄
洗浄液を用いて耳垢や分泌物を取り除くことで、薬が効きやすい環境を整えます。
点耳薬
炎症を抑えるためのステロイド、細菌やマラセチアを抑える抗菌薬・抗真菌薬を含む合剤を使用することが多いです。
内服薬
炎症や感染が強い場合には、飲み薬を併用することがあります。
基礎疾患の治療・管理
寄生虫や異物が原因であれば、それらの原因を除去します。
また、アレルギーなどが原因の場合はその治療・管理も同時に行うことで再発を抑えます。
再発を防ぐために
外耳炎は再発しやすい病気です。
特に、アレルギーや上に挙げたような身体的な特徴を持つ子では繰り返し発症することが多いです。
そのため、以下のようなポイントが重要になります。
- 定期的な耳のチェック・耳掃除
- 基礎疾患の管理
再発予防のためには継続的なケアが必要になります。
外耳炎が疑われる場合はご相談ください
外耳炎は早期に治療をできれば短期間で改善しやすい病気です。
一方で、放置すると重症化し治療が難しくなることもあります。
耳をかく、頭を振る、耳が臭うなどの症状がみられた場合は、お早めにご相談ください。
当院では耳鏡検査や耳垢検査を行い、外耳炎の原因を確認しながら治療を進めています。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。
【外耳炎コラム】
第1回 犬が耳をかく・頭を振るのは外耳炎かも?犬の外耳炎の症状や原因・受診の目安を解説
第2回 なぜ繰り返す?犬の外耳炎の原因・治療法を獣医師が解説
第3回 犬の外耳炎の診断はどうする?耳垢検査や再発の原因について解説
第4回 犬の耳掃除は必要?正しい耳のケアやその頻度、外耳炎の予防について解説




