犬と猫の歯周炎・歯石|なぜ起こってしまうの?原因をわかりやすく解説

「大量の歯石がつくのはなぜ?」
「なんで歯周炎が起こってしまうの?」
犬や猫の歯周炎はとても多い病気ですが、そこには人とは異なる犬・猫ならではの理由があります。

【歯周炎コラム】
第1回 犬の歯周炎|口がにおう・歯石がついていることに気づいたら

第2回 猫の歯周炎|よだれ・口臭・食べにくそうは危険なサイン

第3回 犬と猫の歯周炎・歯石|なぜ起こってしまうの?原因をわかりやすく解説

第4回 犬と猫の歯周炎治療|全身麻酔でどんな処置をしているの?処置内容を解説

第5回 犬と猫の歯周炎予防|歯みがきができない子はどうすればいい?


そもそも歯周炎とは?歯周病・歯肉炎とは何が違う?

まず、歯周病とは歯およびその周囲が病的な状態であることを指します。

歯が欠けてしまったり、歯肉炎、歯周炎、虫歯も歯周病の一つです。

歯肉炎は歯の周りの歯肉(いわゆる歯茎)に炎症が起きている状態を言います。

そして、歯周炎とはさらに進行して歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)なども溶けてしまっている状態を言います。

歯周病という大きなくくりの中に歯肉炎歯周炎と言われる状態が含まれます。


歯石ができる仕組み

犬や猫は人のように毎日歯みがきをする習慣がないため、歯垢が口内に溜まりやすい環境です。

この歯垢に唾液中のカルシウムなどが結合し、わずか3日ほどで歯石になります。

人の唾液は弱酸性、犬や猫の唾液は弱アルカリ性であり、歯石はアルカリ性の環境でより作られやすくなります
(人の場合、歯垢が歯石になるまで約2~3週間かかると言われています。)

このようにして形成された歯石の表面はざらざらしているため、さらに汚れが溜まっていくことになります。

歯の表面に付着した歯石は歯みがきでは除去できないものとなります。


なぜ犬と猫は歯周炎になりやすいのか

犬・猫は口内環境の違いにより人に比べて歯周病菌が増殖しやすい環境になっています。

この歯周病菌が出す毒素により歯肉炎、歯周炎が引き起こされます。

(逆に、犬や猫では虫歯菌が少ないため虫歯を見る機会はほとんどありません。)


歯石と歯周炎の関係

ここまでで、犬・猫の口内では歯周病菌が増えやすく、また歯石が作られやすい環境であることをお話ししました。

歯石がつくことで、歯周病菌はその歯石に守られたスペースでより増殖しやすくなり、その歯周病菌により炎症が引き起こされます。

最初は軽い歯肉炎ですが、放置すると炎症は歯肉だけでなく、歯を支える骨(歯槽骨)にまで広がります。

このようにして歯肉や歯槽骨が溶けてしまった状態歯周炎と言います。

歯周炎は見た目ではわかりにくく、気づいたときには進行していることが多い病気です。


年齢・犬種・猫種によるなりやすさ

年齢を重ねるほど歯周病の発生率は高まっていきますが、意外と若くから歯周病は発生します。

犬・猫では3歳の時点ですでに80%以上の子が歯周病を発生していると言われています。


また、チワワなどの小型犬は歯が密に並んでいるため、汚れが残りやすく歯周炎になりやすい傾向があります。またミニチュア・ダックスフントやシェットランド・シープドッグなども歯周炎が重症化しやすい印象があります。

ただ、犬種・猫種に限らずその子その子によって口内環境は大きく異なり、歯石や歯周炎の重症度も大きく変わってくるので定期的な検診が重要です。


フードや生活習慣との関係

やわらかいフード中心の食事は、ドライフード中心の食事よりも食べかすが口内に残りやすく、歯石がつきやすくなってしまします。

また、水を飲むことで口の中の汚れも流れていくので、清潔な水をこまめに飲んでもらうことが重要です。
歯みがきなどのデンタルケアの習慣がない場合、歯周炎はより早く進行していきます。


歯周炎は「特別なことをしたからなる病気」ではなく、何もしなければ自然と進んでしまう病気です。
だからこそ、早めのケアと定期的なチェックがとても大切になります。

このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。

不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。

「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。

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