「アトピーと言われたけれど、どんな病気なの?」
「なんでずっとかゆがるの?」
こうした疑問を持つ飼い主さんはとても多いと思います。
『犬アトピー性皮膚炎』は、単なる皮膚トラブルではなく、「体質」によって起こる慢性的なアレルギー疾患です。

【犬アトピー性皮膚炎コラム】
【第1回】犬がかゆがるのはなぜ?犬アトピー性皮膚炎の初期サイン
【第2回】犬アトピー性皮膚炎とは?原因と仕組みを獣医師がわかりやすく解説
【第3回】犬アトピー性皮膚炎の検査と診断|アレルギー検査は本当に必要?
【第4回】犬アトピー性皮膚炎の治療法まとめ|薬・スキンケア・食事療法の正しい組み合わせ
アトピーかゆみの原因は身の回りの環境アレルゲン
原因となるのは特別なものではありません。
- ハウスダスト
- ダニ
- 花粉
- カビ など
こうした日常生活の中にある物質に対して、免疫が過剰に反応することでかゆみが引き起こされます。完全に避けることは難しいため、症状が慢性化しやすいのが特徴です。
なぜ皮膚に症状が出るのか
アトピーの犬は皮膚のバリア機能が弱いという『体質』を持ちます。
本来であれば皮膚でブロックできるはずのアレルゲンが、皮膚の中に入り込みやすい状態になっています。
- アレルゲンが皮膚から侵入
- 免疫が過剰に反応
- 炎症が起こり強いかゆみが生じる
このような仕組みでアトピーの症状が引き起こされます。
かゆみが強くなる悪循環
人でもかゆみを我慢するのは難しいですが、犬の場合にはかゆみを我慢することはできません。
そのため、『かゆい → かく → 皮膚が傷つく → さらにアレルゲンが侵入 → もっとかゆくなる』
と言った、悪循環が起こってしまい皮膚の状態が徐々に悪化し、慢性的に炎症が続くようになります。さらに細菌やマラセチアといった病原体が増殖し、症状をより強くすることもあります。
なりやすい犬種と発症年齢
犬アトピー性皮膚炎は遺伝的体質も関係しており、特に次の犬種で多く見られます。
- 柴犬
- フレンチ・ブルドッグ
- トイ・プードル
- シーズー
- ゴールデン・レトリバー
- ラブラドール・レトリバー など
発症は1~3歳頃と若い子が多いです。中年齢以降の子でもよく聞いてみると、「実は若い頃からかゆがっていたかも」というお話を聞くことが多いです。
「単純な皮膚病」ではなく「アレルギー体質」
アトピーは、皮膚の表面だけの問題ではありません。体質そのものが関係しているため、薬を使えば完治できるような病気ではありません。
飲み薬や外用薬、シャンプーなどのスキンケアを組み合わせて、かゆみをコントロールしながら、皮膚のバリア機能を保つことが治療・管理の大切なポイントになります。
正しく理解することが治療の第一歩
残念ですが、犬アトピー性皮膚炎を完治させることは難しいです。
ですが、適切な治療・管理を行うことで、かゆみを落ち着かせ生活の質を維持することは可能です。そのためには、まず飼い主さんが病気の仕組みを理解することがとても重要です。
「なぜ治らないのか」ではなく、「どうすれば上手に付き合っていけるか」を知ることが、アトピーという病気の管理の第一歩になります。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません




