犬の呼吸が荒い状態で、苦しそうにしているときに不安にならない飼い主さんはいないと思います。
運動後など短時間で治まるものであれば心配いりませんが、場合によっては命に関わる重篤な病気が隠れているケースもあります。
今回のコラムでは、呼吸が荒くなる原因や注意してほしい点を解説します。
※注意
大前提として診察をせずに、「家で様子を見ていて大丈夫」と言うことはできません。
基本的に異常があるようであれば受診することをおすすめしています。

「呼吸が荒い」原因
①生理的なケース(体の正常な機能の一つとして見られる)
- 運動した後
- 興奮や不安などのストレス
- 暑さ
これらの場合は一般的に健康でも呼吸が荒くなります。
ただし、このような状況だとしても熱中症やその他の病気が関わっている場合もあります。
涼しくしている、あるいは運動をやめて安静にしているのに呼吸が荒い状態が長く続く
30分~1時間以上にわたって呼吸が荒い状態が続く場合は要注意です
②呼吸器系の病気
- 気管虚脱
- 肺炎
- 肺水腫 など
③ 心臓の病気
- 弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症など)
- 心筋症 など
④ その他の病気
- 胸水貯留や気胸
- 熱中症
- 貧血
- 病気による痛み・不快感 など
特に高齢犬では病気が隠れている場合も少なくありません。
自宅で確認してほしいポイント
呼吸状態の目安の一つに「呼吸数」があります。安静時の呼吸数をチェックしてみてください。
安静時とは犬が「寝ている」あるいは「伏せて落ち着いている」状態で、この時に胸やお腹の動きを数えます。
「吸って→吐く」(膨らんで、しぼむ)これを1回として、胸(お腹)が「膨らんだ」あるいは「しぼんだ」回数を数えます。
「1分間の呼吸数」でチェックしますが、15秒間の呼吸数を4倍してもらっても構いません。
正常時は大体「1分間に10~30回」が正常範囲です。
- 40回以上ある
- 以前よりも呼吸数が増えている
このような場合は早めに受診するようにしてください。
※運動後や興奮時、暑い時などは一時的にこれより呼吸数が多くなりますが長時間続く場合は要注意です。
緊急性の高いサイン
- 普段よりもお腹の動きが大きく、頑張って呼吸している
- 咳も出ている
- 舌の色が紫色っぽい
- 呼吸をするときに異常な音が聞こえる(ゼーゼー、ヒューヒュー、ガーガーなど)
- 明らかに元気がない、表情がおかしい
呼びかけに反応しない、目の焦点が合っていない など
これらの様子が見られる場合は早めに受診するようにしてください。
飼い主さんへのメッセージ
犬の呼吸が荒いときは、まず次の点を確認しましょう。
- 暑い・運動後・興奮時ではないか
- 安静時でも呼吸が速くないか
「いつもと違う呼吸」は緊急状態である可能性もあるため、早めに受診するようにしてください。
個体差もあるので、おうちの子の「安静時呼吸数」のような普段の呼吸の様子を知っておくことで、異常があった時に早く気づいてあげることができます。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。







