慢性腎臓病の食事療法とは
食事療法は猫の慢性腎臓病の管理でもっとも重要な治療の一つです。
腎機能が低下すると、「タンパク質から作られる老廃物」や「リン」などの物質が体に溜まりやすくなります。
こうなると、猫の体調はさらに悪化してしまい、また腎臓への負担も大きくなってしまいます。
腎臓への負担を減らすために、これらの成分が調節された食事がとても重要になります。

療法食は本当に必要?
慢性腎臓病用の療法食は上に挙げた「タンパク質」と「リン」の量が調整されています。また、その他に腎臓に負担をかける「ナトリウム」の量も制限されています。
このように、慢性腎臓病の猫のために特別に栄養成分が設計されたものが療法食です。
「普通のフードではだめ?」と聞かれることもありますが、慢性腎臓病と診断された猫では療法食にするかしないかでその後の進行スピードに大きく変わります。
※「療法食」は病気を持つ子のために特別に調整されたフードのため、健康な子がそれを食べ続けた場合には逆に健康に支障をきたすことがあります。
療法食は必ず獣医師と相談して、指導を受けたうえで与えるようにしてください。
腎臓病用フードの選び方
療法食は各メーカーから様々なタイプが多く販売されています。
フードの形状としては大きく「ドライフード」と「ウェットフード」に分けられ、慢性腎臓病では脱水は禁物なので水分を多く摂れるウェットフードが好ましいです。
ただし、フードの栄養成分や水分量も重要ですが、一番重要なのはその子が継続して食べてくれるかどうかです。
色々な種類を試しながら、続けられるものを見つけていきます。多くの子は食べてくれるものが見つかってもいずれ飽きてしまうため、いくつかの種類をローテーションすることが多いです。
療法食を食べてくれないときの工夫
腎臓病が進行すると、食欲が不安定になりフードを食べなくなることもあります。
そんな時には以下のような工夫をしてみてください。
- 少し温めて香りを立たせる :ドライフードでもウェットフードでも効果があります
- におい付けをする :フードの袋の中に鰹節が入った「だしパック」を入れる など
- 時間の経ったフードを新しいものに換える
- 食事の回数を増やす
- 食器を食べやすいように工夫する :食器の高さや、部屋の中の置き場所を変える・増やす
このようにしても食べないときには血液検査などで今の状態を把握して、追加の治療を検討します。
「食欲増進剤」の塗り薬などがありますので相談して使用していきましょう。
おやつや一般食を与えていい?
基本的には療法食が望ましいですが、猫がどれも気に入らず栄養不足になっては元も子もありません。
そのような場合は何かを食べてくれることの方が重要なので、その子が気に入ってくれるおやつや一般食をトッピングあるいはそれを主体として食べてもらっても構いません。
ちなみに、鶏肉など食材を与える際には、「ササミ」のような低脂肪・高蛋白なものよりは「もも肉」のように脂を多めに含むものの方が望ましいです。
療法食は「理想的な食事」ではありますが、実際にはどれも食べてくれない子はいます。その子の好みや状態を見ながら、何を食べてもらうか相談していきましょう。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。





