犬の下痢は毎日の診療でもっともよく来院される症状の一つです。
適切に対応すれば数日で改善することがほとんどですが、場合によっては症状が長引いたり大きな病気が隠れていたりすることもあります。
今回は犬の下痢について、原因や注意してほしい点を解説します。
※注意
大前提として異常がある犬に対して診察をせずに、「家で様子を見ていて大丈夫」と言うことはできません。
基本的に異常があるようであれば受診することをおすすめしています。

そもそも下痢って?
下痢とは、普段よりも水分が多くて柔らかいあるいは水っぽい便が出る状態をいいます。
排便回数に関しては増えることもあれば、変わらないこともあります。
何が原因?
犬の下痢は胃腸の不調の場合もあれば、その他いろいろな原因で起こります。
短期間に改善してくれる場合は結果的に原因がわからないことも多くあります。
① 食事の変化
新しいフード・おやつを与えた時や、人の食べ物を食べた時に起こりやすいです。
また、普段のフードでも食べ過ぎた場合や、家の中や散歩での拾い食いでも起こることがあります。
② ストレス
来客やお出かけ、天候(雷や風の音、気温)、トリミングやホテルなど。
ネガティブな感情だけでなく、ドッグランなど嬉しそうなイベントの後にも下痢を起こす子がいます。
③ 感染症(寄生虫・細菌・ウイルスなど)
子犬では犬回虫症、ジアルジア症などの寄生虫が見られることも多いです。
またワクチンの効果が不十分な場合にはパルボウイルス症など危険な感染症も原因となる事があります。
④ 消化器系の病気
異物や炎症性腸疾患、腫瘍など胃腸の異常で下痢が見られます。
⑤ その他の病気
下痢を引き起こす病気は多岐にわたるので、いくつか例に挙げると次のようなものがあります。
膵炎、膵外分泌不全、副腎皮質機能低下症、肝不全、慢性腎臓病など
⑥ 薬剤など
治療のために病院で処方した薬で下痢を起こす場合がしばしばあります。
緊急性の高いサイン
- 元気・食欲がない
- 嘔吐も見られる
- 血便あるいは黒い便が出ている
- 排便回数が多い
- 24時間以上下痢が続いている
このような症状の時はできるだけ早く病院へ受診するようにしてください。
特に、子犬や高齢犬に関してはより注意が必要なので、早めの受診をおすすめします。
すぐに受診できない場合・様子見する場合
しつこいですが基本的に重症の場合は早めに来院するようにしてください。
上記のような緊急性の高い症状がなく軽症の場合、すぐに受診できないようであれば次のように対応してみてください
- 一時的にフード量を減らす(例えば通常の約25~50%)、あるいは絶食
- 水を飲めるようにする(水を切らさない、口元にもっていくなど)
- 新しいものやおやつは与えない
※ただし、子犬の場合は基本的には絶食は避けた方が良いので注意してください。
飼い主さんへのメッセージ
犬の下痢は適切に対応すればすぐに改善することも多いですが、重大な病気が隠れていることもあります。
いつもと様子が違うようであれば、できるだけ早く受診してください。
受診の際に便があれば重要な情報を得られることもあるので、可能であれば持って来てください。
このコラムが飼い主のみなさんの参考になれば幸いです。
不安な点、心配な点があれば気軽にご連絡・ご相談ください。
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うことでも尋ねてもらえれば、病院として何かお手伝いができるかもしれません。







